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スマホ・マーケティング

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スマホ・マーケティング

目次

  1. スマートフォンの利用
  2. スマートフォンによるコミュニケーションの変革
  3. スマホ時代の購買行動
  4. スマホ・マーケティング
  5. スマホアプリ・メニュー
    1. アプリ情報
    2. 店舗情報
    3. 商品陳列棚案内
    4. ワンツーワン・マーケティング(One to One Marketing)
    5. 買物予約
    6. ポイント情報
    7. 決済情報
    8. ユーザ情報
    9. LIFT連携

スマートフォンの利用

スマートフォンに関する15歳から59歳までを対象にした電通の調査では、80%以上が所有しており、75.4%がコミュニケーションや情報収集に最も利用するディバイスとして挙げている。また、ユーザの68.4%が「スマートフォンなしの生活は考えられない」と回答しており、1日平均167.16分(1日の10%以上)使っている。そして、サービスまたはコンテンツの利用率は約95%に達している。

コミュニケーションや情報収集に最も利用するディバイス

スマートフォン 75.4
パソコン 10.8
テレビ 8.9
タブレット 1.2
新聞 1.1
雑誌 1.0
ラジオ 0.8
携帯 0

(2018年、全国15歳~59歳、電通調査)

スマートフォンによるコミュニケーションの変革

スマートフォンの普及によって、コミュニケーションはどのように変わってきているだろうか。主なものを挙げるとすれば、コミュニケーションと情報の一体化情報発信の大衆化、そしてコミュニケーション範囲の拡張 と言えるだろう。

携帯電話ではコミュニケーションと情報取得は別物だったが、LINEやインスタグラム、フェイスブック、ツイッターなどのSNSの利用によって、区別のない混然一体としたものになっている。また、従来、情報発信は、その内容に関する権威者あるいは著名人に限られていたが、今や誰でもが情報発信者になることができる。そして、これまでは、コミュニケーションは、何らかの係わりがあった人との間にのみ存在するものであったが、最早会ったことがない人とのコミュニケーションも当たり前となっている。

前述の電通調査が示す通り、生活におけるスマートフォンの依存度は極めて高くなっている。一方で、スマートフォンでは、多彩なアプリが利用できるために、通信データ量、バッテリー容量の壁にぶつかる為、セルフキュレーション(Curation 情報を選んで集めて整理すること)が起きている。スマートフォンのセルフキュレーションとは、スマートフォンの使い道の絞り込みであり、厳選したアプリだけが使われ余計なものは削除されるということである。言い換えればスマホ内の断捨離であり、企業がスマートフォンを顧客との媒介にする場合に留意すべき課題になっていると言えよう。

スマホ時代の購買行動

スマートフォンの普及によって、購買行動はどのように変わってきているだろうか。スマートフォンがあれば、ECサイトからいつでもどこでも買うことができる。実店舗に足を運ばなくても、SNSによって実際に体験した人から情報を得ることができる。また、口コミ情報によって、他人の評価を知ることができる。更に、ライブ・コマースによれば、実店舗さながらの疑似体験ができる。そして、居ながらにして商品を届けてもらうことができる

スマートフォン時代のショッピングは、インスタント・ショッピングO2O(Online to Offline)ショッピングリアル・ショッピングのいずれもの選択ができる。

スマートフォンを使えば、ECサイトを閲覧して商品をクリックするだけで買い物が完了する。従って、いつも使っているものと同じものを手に入れるのであれば、インターネット・ショッピングが最適である。アマゾン・ダッシュは、最も手がかからないインスタント・ショッピングの方法である。ECサイトを閲覧して商品を絞り込み、実際の店舗に足を運んで最終的に商品を決めるO2Oという選択肢もある。逆に、実際の店舗に足を運んで商品を決めてからECサイトで注文するという方法もある。そして、実店舗に足を運んで商品を選び買物をするリアル・ショッピングという従来からの方法がある。

スマホ・マーケティング

足を運んで商品を選び買物をする実店舗を持つスーパーマーケットにおいても、スマートフォン時代の顧客とのコミュニケーション媒体として、スマートフォンは極めて重要である。スーパーマーケットにおいて、スマートフォンを活用していく為には、自社スマホアプリの構築が前提となるが、その留意点について考えておきたい。

まず、スマホアプリの構築においても、ターゲットの設定とKPI(Key Performance Indicator 重要業績評価指標)の明確化は必須である。競合他店が採用しているからというような理由だけではなく、誰を対象とするのか、何を目的として行うのか、何をもって成功不成功を判断するのか、といったことを明確にしなければならない。

次に、アプリケーションをダウンロードすることによるベネフィットを訴求しなければならない。前段で触れたセルフキュレーションという事象を意識して、新たにスマホアプリのユーザになることによって、どのようなベネフィットが与えられるのかを明確にしなければならない。これは、アプリのダウンロード前の施策であるので、スマホアプリのコンテンツとしてではなく、自社Webサイト、紙媒体によるチラシ、店内POPなどで告知する必要がある。

また、アプリのダウンロード後のユーザ登録のハードルを低くすることが肝要である。ユーザ登録をしなければ、スマホアプリのコンテンツを全く閲覧することができないという事例が見られるが、これではユーザ登録とコンテンツ閲覧が相互にデッドロック状態となってしまう。ユーザ登録なしでも一定範囲の閲覧ができるという配慮が必要である。ユーザ情報についても、顧客属性としては家族構成、所得、職業、学歴、ライフスタイル、パーソナリティ、行動様式などが挙げられるが、より多岐に渡る情報を求めることは顧客にとっては煩わしいものであり、ユーザ登録のハードルを高くすることに繋がるので、必須項目は最小限に留めることが肝要である。また、短期間にユーザを確保したいのであれば、期間を限定した恩典付与も求められる。

サイトマップについては、操作手順の簡略化を徹底することが必要である。操作が直感的に解り易く、多層階構造を避け、スクロールを要しないことが望ましい。そして、コンテンツ閲覧においては、飽きさせないということが最も重要である。具体的には、一般動画は10秒~20秒、レシピ動画であっても1分以内が最適と言われている。また、通常のフォント中の大きな文字、テキストの中の静止画、静止画の中の動画などを使ってコンテンツにメリハリをつけることである。

スマホアプリ・メニュー

前述の留意点を踏まえ、スマホアプリに盛り込んでおきたいメニューとそのコンテンツを以下に挙げる。

アプリ情報

このスマホアプリのユーザになることによって、どのような恩典が得られるのかを説明する。恩典とは、必ずしも割引あるいはポイント加算付与などの金銭的還元だけではない。顧客にとって有益な情報は、当然ながら恩典である。これは、ユーザ登録をしなくても閲覧できるコンテンツとして掲載する。

店舗情報

展開する各店舗の店舗名、所在地、連絡先、営業案内、商品・サービス案内、イベント、キャンペーン、チラシなどの情報を掲載する。これは、ユーザ登録をしなくても閲覧できるコンテンツとして掲載する。

そして、展開する店舗の中から、買物に行く「お気に入り店舗」を設定してもらう。「お気に入り店舗」の検索には、店舗名検索、行政区画検索、位置情報検索など多様な検索方法が求められる。

商品陳列棚案内

スマホアプリに提供されたチラシに掲載された商品、同じく掲載されたレシピを構成する商品あるいは顧客が指定した商品の所在場所を、音声出力あるいは店内地図で案内する。ビーコンおよび電子棚札が装備されている場合であれば、至近距離に至った時点でスマートフォンあるいは電子棚札のアラームを起動させる。

ワンツーワン・マーケティング(One to One Marketing)

店外に居る買物見込客向けに、値引商品、クーポン、店内イベントなどをスマホにプッシュ通知する。また、顧客情報とその買上情報を含むコンタクト実績に基づき、ID-POSデータおよび店内外のコーザルデータからAIによって導かれる当該顧客向けのキャンペーン、商品・サービスなどの情報を送る。当該顧客に対してリコメンドする夕食メニューには、栄養素・カロリーなどを記載したレシピと期間限定のクーポンを提供する。併せて、調理動画を帰宅後に見ることができるようにする。

買物予約

いつも同じものを選んでいるグロサリー、雑貨などをあらかじめスマホアプリから注文できるようにする。従業員が売場から商品をピックアップし、生鮮食品などの買物の退店時にピックアップ・カウンターで買物客に引き渡す。決済は、スマホアプリの決済機能で完結させる。商品ピックアップおよび商品引き渡しは新たな業務負荷となり、フルフィルメント業務に対応する為には、バックヤードがECのセンターと同様に機能する必要がある。

ポイント情報

ポイント・カードについては、ポイント獲得履歴、ポイント消費履歴、現在累計ポイント、消滅予定ポイントの閲覧ができるようにする。来店ポイント制を採用している場合は、それらの履歴も対象とする。更に、ポイント付与にロイヤルティ・プログラムを組み込み、今月(今週)あといくら買ったら今月(今週)ポイントX倍、前週買上額、前月買上額、前年買上額などを閲覧できるようにする。

決済情報

決済については、チェックアウト・システムを採用している場合は、スマホアプリで表示されるQRコードをレジで読み取らせることにより完結させる。

クレジット機能がある場合には、あらかじめカード番号を登録することによって、都度入力しなくても良いようにする。

プリペイド機能がある場合には、店頭入金、クレジット連携、銀行口座連携によるプリペイド・チャージがスマホアプリ内でできるようにし、チャージ履歴、支払履歴、プリペイド残高を閲覧できるようにする。

ユーザ情報

ユーザ登録として、ID、メールアドレスおよびパスワードは最小限必要である。スマホアプリを媒体としてワンツーワン・マーケティングを展開する為には、加えて、少なくとも氏名、住所(郵便番号)、年齢(生年月日)、性別は欲しいところである。既にポイント・カード会員となっている者が対象である場合は、ポイント・カードとの紐づけで足りる。

スマホアプリのユーザ登録が、知人からの紹介である場合には、知人のIDを入力することによって、紹介者および被紹介者双方に何らかの特典を付与する。特典が魅力的なものであれば、スマホアプリ・ユーザの拡大に寄与する。

LIFT連携

LIFTとは、電通が名付けた主要なSNS(Social Networking Service)であるLINE、インスタグラム、フェイスブック、ツイッターを一言で表す言葉である。LIFTはSNS利用者の80%以上を占めており、SNSと同義と扱っても差し支えない。LINEは、LIFTの中でも最も利用率が高く、しかもメール、電話よりも利用されている。また、LIFTのうち、インターネット検索の対象はツイッターだけである。

スマホアプリにおいては、LIFT連携が求められるが、その前提として、情報発信が充分に行われること、プッシュ通知が顧客にとって価値ある情報であること、そして情報内容がスマホアプリ内のコンテンツと重複しないことが必要である。

以上

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