コラム

電子棚札のスーパーマーケットにおける活用

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目次

  1. 電子棚札
  2. 電子棚札の機能
  3. 電子棚札の効果
    1. 商品価格表示
    2. インストア・プロモーション
    3. ストア・コンシェルジュ
    4. ローコスト・オペレーション
    5. サイネージ・ビジネスとしての利用
  4. 電子棚札の弱点

電子棚札

電子棚札(ESL:Electronic Shelf Labels)は、価格や商品情報などを、無線通信を通じてリアルタイムで変更、表示できる小型デジタル端末である。かつては液晶ディスプレイ製のものも使われていたが、現在は電子ペーパー製が主流になっている。電子ペーパーは、色数も少なく、比較的大きいサイズで、さまざまな情報を表示し、書き換えも頻繁には発生しない電子棚札に適している。

電子ペーパー 液晶ディスプレイ
視認性 高い
高視野角(ほぼ180°)
高コントラスト
低い
(反射して見にくい)
カラー表示 白/黒/赤、白/黒/黄
(標準モデル)
白/黒
(低温モデル)
フルカラー
グラフィック表示 モデルにより対応可 対応
書き換え速度 遅い 速い
温度対応 -25℃~30℃(低温モデル)
10℃~40℃(標準モデル)
0℃以下に弱い
電力消費 小さい(書き換え時のみ)
電源が切れても表示は消えない
ボタン電池で5年以上
(1日2回書き換えの場合)
大きい(常時)

電子棚札の機能

電子棚札は、情報表示QRコード表示NFC(Near Field Communication)搭載およびLEDライト搭載が可能である。

情報表示としては、従来の棚札の代替としての商品名および商品価格の表示に加えて、商品説明の表示ができる。更に、大きなサイズの電子棚札では、POPの代替として利用することもできる。

電子棚札に表示されるQRコードは、スマートフォンなどで読み取ることによって、Web上のより詳細な商品情報などを参照させることができる。

NFCは、搭載した機器同士を近づけるだけで通信ができる近距離無線通信技術であり、SUICAなどのプリペイドカード、運転免許証などのIDカード、スマートフォンなどに搭載されている。NFCが搭載された電子棚札にスマートフォンなどをかざすだけで、QRコードの場合と同様に情報を得ることができる。

LEDライトを搭載した電子棚札は、LEDライトを点灯させることによって、商品の所在場所を知らせることができる。

サイズ・バリエーション(Panasonic)

モデル
(設置枠)
適用
1.6インチ 48.0mm 36.6 mm 39.2 mm 価格、QRコード
2.2インチ 67.9 mm 34.0 mm 36.7 mm 商品名、価格、商品情報
QRコード、NFC
2.6インチ 80.0 mm 41.1 mm 43.7 mm 商品名、価格、商品情報
QRコード、NFC
4.2インチ 104.5 mm 82.5 mm 85.2 mm 商品名、価格、商品詳細情報
QRコード、NFC
7.4インチ 175.3 mm 123.4 mm 123.4 mm POP、店内案内

電子棚札の効果

商品価格表示

電子棚札の第一の効果は、商品価格設定あるいは変更表示の即時性にある。加えて、人手による場合には避けられない価格誤表示を無くすことができる。また、POSデータベースとの同期が保証される。

更に、競合他店価格に対抗する為の値下げ、賞味期限廃棄ロスの回避の為の閉店前値引などの価格変更のみならず、多岐に渡る判断要素に基づく政策的価格設定としてのダイナミック・プライシングの展開には欠かせないツールである。

インストア・プロモーション

電子棚札は、電子棚札に商品情報を表示するだけでなく、QRコード表示あるいはNFC搭載を媒介として、買物客のスマートフォンに電子棚札それ自体に表示しきれない商品情報を提供することができる。

それらとしては、詳細な商品説明、食品表示に関する詳細説明、商品生産起源情報(トレーサビリティ)、当該商品を素材とするレシピ、同じく調理動画、口コミ情報、クーポンなどの提供、更にインバウンド対応としての外国語表示による上記情報などが考えられる。

これらの情報提供は、POPによる商品情報の提供に替わるインストア・プロモーション策であると同時に、従業員に対する問い合わせ対応を軽減するものでもある。

また、電子棚札をスマートフォンに読み込ませることによって提供情報を表示させる操作を簡便にすることによって、あるいはスマホアプリを使って電子棚札を読み込ませることによってのみ情報を提供することによって、スマホアプリのインストールのきっかけとなることも期待できる。

LEDライト搭載の電子棚札では、本日お薦め商品の棚札のLEDライトを点灯させることによって、買物客を誘導するなどインストア・プロモーションとして活用することができる。

ストア・コンシェルジュ

LEDライトを搭載した電子棚札は、LEDライトを点灯させることによって、買物客あるいは従業員に対して、商品の所在場所を知らせることができる。

買物客のスマホアプリに提供されたチラシに記載された商品あるいは入力した商品の所在場所を、音声出力あるいは店内地図で案内し、至近距離に至った時点で電子棚札のLEDライトを点灯させることによって、商品所在棚案内の自動化が実現できる。また、従業員に対しても、専用端末などによって同様な案内をすることができる。

ローコスト・オペレーション

電子棚札は、値替作業の省力化と棚札コストの全廃という面でローコスト・オペレーションを推進する。また、棚札原材料の消費量削減および棚札焼却時のCO2削減というペーパーレスによる環境対策にも寄与するものである。

更に、専用端末などからのデータ入力で棚札と商品マスタの同期が取れる為、売場での棚札の書き換えと商品マスタの変更の為に、売場とバックヤードの往復を行わなくて済むという作業の効率化をもたらす。

サイネージ・ビジネスとしての利用

電子棚札のコンテンツの一部をメーカー広告に使用することが考えられる。メーカーから広告費として対価を得ることによって、電子棚札の導入運用コストを補填することが可能である。

電子棚札の弱点

電子棚札は、従来の棚札と比較して優位性があるが、一方、いくつかの弱点がある。

POPとして活用することはできるが、サイズが最大でも17.53㎝×12.34cm(Panasonic製の場合)であり、従来の紙のPOPあるいはデジタル・サイネージのように派手に目立たせることはできない。また、スーパーマーケットでは特に問題とはならないが、高級感を演出したいような商品には馴染まない。

以上

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