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スーパーマーケットにおけるこれからのPOSシステム

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POSシステムの起源
  POS(Point Of Sales)システムとは、我が国では、販売時点情報管理システムと訳され、元来キャッシュ・レジスターに販売データ収集機能を付加した端末装置に、データを格納するコンピュータを連動したシステムを指す。同システムは、1960年代にアメリカで開発され、1970年代に我が国に導入され始めた。この段階のPOSシステムにも、値札に印刷されたバーコードを読み取ることによって単品情報としての販売商品データを自動的に入力できるハンドヘルド・スキャナーを接続することができた。

チェックアウト・システムの進化
  我が国のスーパーマーケットにおけるPOSシステムは、1980年代に普及し、かつてのキャッシュ・レジスターは、現在ではPOSシステムにほぼ完全に取って代わられている。POSシステムには、ソースマーキングの定着を前提とした定置式スキャナー、支払方法の多様化と顧客IDデータの取得要請に対応するカードリーダー、キャッシャーを釣銭計算から解放する自動釣銭機が装備されている。
  スーパーマーケットにおけるPOSシステムは、以降、更なる自動化に向かっている。2000年代前半にはセルフレジが開発され、バーコードスキャンから支払までを客自身が行うという試みが為された。しかし、スキャニングのわずらわしさを始めとする客の抵抗感から、採用はあくまで有人チェックアウトの補完に留まっている。その後、2010年代に入って、スキャニングは有人とし支払だけを客自身が行うセミセルフレジが登場し、急速に普及が進んでいる。

POSシステムの本質的機能
  ここまで触れてきたように、POSシステムの進化は、チェックアウトの省力化、同時に省脳化の道を辿ってきているが、そのあるべき本質的機能は、言うまでもなく決済処理と情報捕捉にある。従って、一括チェックアウト方式は手段であって目的ではない。寧ろ、文字通りの意味からすれば、本来、顧客が商品の購買を決定した時点が「POS」であろうし、情報の範囲も購買に限定されることはない。一度は手に取ったが購買に至らなかった商品も販売時点の情報であり、これこそがPOSデータのマーチャンダイジング上の限界を超えるものでもある。

POSシステムの方向性
  更なる進化は、一層の省力化要請とICT技術の高度化によってもたらされ、無人チェックアウトあるいはチェックアウトレスに向かっている。
  決済処理については、非可動性のPOS端末などによる一括チェックアウト方式と可動性のスマートフォンなどによるチェックアウトレス方式に大別できる。また、情報捕捉については、バーコード、RFID(Radio Frequency Identifier)などによる従来の延長上であるスキャニングによる方式と店内設置カメラの画像による方式に大別できる。
  これらの取り組みにおけるシステム構成は多様であり、また運用段階についても、実験店舗によるもの実店舗における実証段階にあるものなどさまざまである。これからのPOSシステムは、対象見込客、売場面積、取扱商品アイテム数、単位時間当たりの顧客数および購買点数、支払方法などにより、前述したふたつの方式を基本とした多様な形態が出現するものと考えられる。

RFIDと画像解析
  RFID(Radio Frequency Identifier)の採用については、鶏が先か卵が先かの議論にもなるが、現時点では、コストがスーパーマーケットの商品単価にとっては見合わないので、劇的な価格の低減が必要条件である。「コンビニ電子タグ1000億枚宣言」による単価1円の実現、ソースタギングのソースマーキング並みの普及が期待される。一方、電子タグのコストパフォーマンスを評価するに当たっては、現行コスト比較だけではなく、SCM(Supply Chain Management)における物流の各段階における商品データの取得、トレーサビリティによる店頭での商品生産起源情報の表示、POPとしての店頭での商品説明あるいは当該商品を素材とするレシピ紹介、賞味期限・消費期限に基づく値引判断と食品ロスの未然防止など値札以外の利用効果を加味する必要がある。
  画像解析の採用については、スーパーマーケットにおける取扱商品アイテム数、単位 時間当たりの顧客数、買上点数などを考慮すると、現状においては、費用対効果の側面から得策ではない。アマゾン・ゴーでは、我が国の標準的コンビニエンスストアより狭い店舗に3桁におよぶ台数のカメラが設置されているという。従って、現状対象はコンビニエンスストア規模に限定される。一方、店内設置カメラは、商品購買に限定されず、顧客行動の捕捉、万引き監視、欠品防止、従業員の業務実績把握など多目的利用を視野に入れておく必要がある。

スーパーマーケットのPOSシステム
  スーパーマーケットにおいては、レジ配置要員の抑制による生産性の向上、客の待ち時間の短縮化による機会損失の排除、そして万引き等による商品ロスの防止が対応されなければならない課題である。現時点で想定し得るテクノロジーを前提とした判断としては、一括チェックアウト方式且つスキャニング方式の採用、即ち無人チェックアウトが適切であると思われる。
  決済処理については、スーパーマーケットにおける対象見込客、支払方法などを考慮すると、現状において、可動性のスマートフォンなどによるチェックアウトレス方式に一本化することは難しい。異なった方式の並立採用は決済未決済の判断が運用上困難になるので、決済方法のひとつとしてスマートフォン決済に対応する場合でも一括チェックアウトは回避できない。
  情報の捕捉については、画像解析で触れた通り、現状においては、店内設置カメラの画像による方式は費用対効果の側面から得策ではない。一方、RFIDなど電子タグは、無線通信であることから、バーコードと比べて、実務上では照射面あるいは読取距離の制約がなく、複数同時読みが可能なので、操作性と読取速度は格段に優れている。電子タグの採用によって、商品コードスキャニングの操作上の課題が解決すれば、補完的役割に位置づけられているフルセルフレジを主役に置き換えることができる。

これからのPOSシステム
  スマートフォンの高齢者をも含めた定着は、ITリテラシーの問題でもあり、団塊の世代が後期高齢者になる時代が直ぐそこに来ていることを考えると、解決は時間の問題である。また、現状20%程度に留まっていると言われるキャッシュレス決済についても、政府の後押しを受けて、急速に普及すると推測される。更に、チェックアウト時点ではなく商品選択時点において商品購買を捕捉する方式についても、技術進歩によって早晩機能および価格の課題が改善され、スーパーマーケットにおいての実運用性が確保されるレベルに到達すると思われる。
  そう考えると、スーパーマーケットにおけるこれからのPOSシステムは、無人チェックアウト方式を経て、あるいは直接に、チェックアウトレス方式に進んでいくとみて間違いは無さそうである。

以上

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